遺骨ペンダントは良くないもの?縁起が悪い!?それホント?
目次
モデル着用ペンダント「オープンハート イエローゴールドK18」
遺骨を少し分けてアクセサリーに納め、大切な人をいつまでも傍で感じることのできる遺骨ペンダント。近年の人気を受け多くのシリーズが展開されていますが、「遺骨ペンダントを持つのは良くないですか?」というご不安の声をたびたび伺います。
中には「親戚に反対されてしまって…」という方も。そうしたお声の背景や、考え方、選択肢についてまとめました。
遺骨ペンダントは違法?
遺骨を置けるのは法的にお墓だけ? 答え:NO
そもそも、遺骨はお墓へ埋葬するものだと思っている方も多いようですが、実は、お墓に納めなければいけない、という法律や規定は全くありません。火葬を済ませた遺骨を保管する場所やその方法は、法律に決められた範囲の中で選択することができます。
法律で禁止されているのは「墓地」以外に「埋葬」すること
遺骨の埋葬について定めている「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」には、墓地以外の埋葬を禁止する項目があります。
第二条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。
~中略~
5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。
~中略~
第二章 埋葬、火葬及び改葬
第四条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。
これは、霊園、寺院墓地、納骨堂といった都道府県に許可を得た【墓地】以外の場所、たとえば【自宅の庭】や【他人の所有地】などに遺骨を埋葬(地中に埋める行為)することを禁止する内容です。
遺骨ペンダントを持つことに関して、 法律上問題はない
実際に、「焼骨を自宅等で保管することは本条に違反するものではない」との見解も示されています。
故人や遺族が望む供養方法であれば、手元で供養するために少量の遺骨(遺灰)を保管し、手元供養商品(遺骨ペンダントやミニ骨壺等)に入れることは、現行の法律上、全く問題ありません。
宗教的な問題は?
遺骨ペンダントは特定の宗教と関わらない
手元供養・遺骨ペンダントは、特定の宗教・宗派に関わるものではなく、身につけ方、納骨の方法、納めるタイミングなどに何か決まり事やしきたりがある訳ではありません。
どのような宗派であろうと、あるいは無宗教であろうと、身近で供養したいというお気持ちには変わりなく、そういったお気持ちから遺骨ペンダントを手にされている方が多いようです。
遺骨ペンダントは特定の宗教によるものではないという前提のもと、日本人に馴染み深い仏教という側面から考えていきましょう。
縁起が悪い?いえいえ、 仏教でも「分骨」はよくある話。
遺骨ペンダントを選ばれる多くの方は、ご遺骨を全て自宅に置かれるのではなく、お墓への納骨や散骨を行う前に少量の遺骨を取り分けています。「分骨」とも言われています。
“ 分骨 ”と聞くと、
「成仏出来ないのでは?」
「遺骨を離れさせると故人がかわいそう」
「分骨は体がバラバラになるのと同じで縁起が悪い」
といったように、分骨に関して心配なさる方もいらっしゃいます。
しかし、仏教の教えでは、分骨は決して縁起の悪いものではありません。
(1)「分骨」は古くから存在する仏教の慣習の一つ
お釈迦さまが亡くなられたとき、弟子8人にそれぞれ分骨をされました。8つに分骨したお釈迦さまの遺骨を供養するために造られた仏舎利塔(ぶっしゃりとう)こそが、寺院の起源になったとも伝えられています。
(2)関西エリアを中心に定着している「分骨」
また、実際に関西や北陸地方の地域では、古くから分骨文化が定着しています。
火葬場での収骨にあたって、関東では全骨の収骨が一般的ですが、関西では、そもそも遺骨の一部だけを拾う部分収骨であるケースも多く、また、菩提寺にあるお墓とは別に宗派のご本山に遺骨の一部を納めることも行われています。
仏教という教えの観点から見ると「分骨」は
決して縁起の悪いものではなく
古くから広く行われている供養の一つ であり
分骨して行う遺骨ペンダントもまた、仏教の考え方と矛盾しない供養の方法であると言えるでしょう。
それでもやっぱり心配?選択肢や解決法は?
良くないのでは? と思ってしまう人の心理
ここまで、法律上・宗教上の観点から遺骨ペンダントについてまとめてきました。どちらの観点からも問題ないと言えますが、それでも「良くない」という印象を持たれる背景には何があるのでしょうか?
仏教では、49日を過ぎた後、亡き人の魂は遺骨を離れ、天国へ行くといわれています。遺骨はその人そのものではないという考え方です。
その背景には「遺骨、すなわち故人に執着すると、遺族がいつまでも前を向けないから」という考えがあるようです。
嘆き悲しむ遺族に対して、その後の生活を思いやった一種の配慮と言えるかもしれません。
遺骨ペンダントが良いかどうか、 それは人それぞれ。
それでは、本当に、遺骨を分けずにいることが誰にとっても最良な選択と言いきれるでしょうか?
例えば・・・
- 遠方に嫁いでしまい、実家の墓へは頻繁にお参りに行けない
- 故人の希望で散骨を決めたが、全て撒くのは遺族として寂しい思いがある
- 49日を過ぎ、お墓の準備も整っているが、未だ納骨の踏ん切りがつかない
上記のような方の場合、遺骨を分けて、遺骨ペンダントやミニ骨壺などでご自宅や手元で持っておくことで、大切な方と離れてしまうという不安や寂しさが和らぎ、安心してこれからの生活に進んでいくことができるのではないでしょうか。
火葬時の収骨一つでも地域差があるように、宗派や地域環境、年代、生活スタイルによっても供養の在り方は変わってきており、一概には言い切れません。 どのように行うことが最も良いかというのは、最終的にはご自身やご家族のお気持ち次第であり、次の一歩を進むためのお守りとして遺骨ペンダントを持つという形もまた、方法の一つであると言えるでしょう。
<遺骨に不安がある方へ>納めるものは、遺髪や遺品などでもOK
あるいは、もし遺骨を持つことに対して迷いやためらいがある場合、遺骨以外のものを納めて持つ、という方法も一つです。
遺骨ペンダントと言っても、納める対象が遺骨でなければいけない、という決まりはありません。故人の枕元に少し残っている遺髪や、お気に入りだったお洋服の一部など、大切な方を感じられる思い出の品であれば、どんなものでも良いのです。
遺骨ペンダントを考える際、押さえるべきポイント。
より良い未来のために、ご自身でよく考え、ご家族と話し合って。
大切な家族、あるいは家族同然の存在を失うショックはあまりに大きく、計り知れないものです。 こみ上げる思い出、あるいは後悔・・・仕事や家事など何も手がつかないこともあるでしょう。辛い時には、その気持ちやご自身の状態を受け入れ、たくさん涙を流し、悲しむことが大切です。
それでも、いつまでもふさぎこんではいられません。残された人にとっては、これからも人生が続いていくからです。 この先もより良い人生を生きていくために、どんな方法をとるのが良いか。ご自身でよく考え、周りのご家族とも相談しながら、納得のいく形をお決めいただければと思います。
遺骨を分けたい場合には、 納骨までの期限に注意
ご遺骨での遺骨ペンダントを選ばれる場合は、納骨前までに遺骨を取り分けておくのが一般的。
納骨の予定がある時は、早めに準備しておいた方が安心です。万が一日にちが迫っている際は、小さな和紙や袋などにあらかじめ遺骨を少量取り分けておき、ゆっくりお選びいただくのも良いですね。
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